23:50 荒川小屋発
1時間ほど寝て出発。寒くてあまり長い時間は寝れなかった。眠れないなら進むしかない。結局夜の山を楽しむことになった。ここから赤石岳への道も大好物。大聖寺平まで進み、そこからぐっと高度を上げていく。1:25 小赤石岳。1:50 赤石岳と順調に進んでいく。風がでていたので、寒かった。夜なので真っ暗だった。ふと後ろを振り返ると、荒川小屋方面にヘッドライトの明かりが確認できた。あ、みんな頑張ってるんだって少しほっとした。そう、市野瀬を出てから、ずっと単独行。久しぶりに他の選手の気配を感じた気がする。これだけ真夜中や荒れた天気の中を一人で進んでくると、誰かと一緒に楽しみながら進みたいって気持ちも出てくる。
赤石岳避難小屋付近では小屋のご主人と奥さんが、真夜中、寒い中にも関わらず、小屋からとび出てきて応援してくれた。本当に、本当にありがとうございます!いつか御礼をちゃんと言いたい。
3:30 百閒洞着。ここまで、なかなかつかないなーと思っていたことしか記憶がない地帯。到着して、スペースのあったテント場の上部で、得意になったシェルターなしごろ寝スタイルでビバーク。そう、とにかく眠かった。5時の小屋利用時間まで寝ることにした。4時30分ごろ目が覚め、荷物をパッキングして小屋へ移動。カレーを注文。ご厚意で、ご飯を好きなだけ盛っていきなさいと。これまたありがとうございます。これまでの経緯で自重はしようとしたけど、おなかがもっと盛れ、もっと盛れと騒ぐ。結果、だいぶ多めに盛って美味しくいただく。うまーい。ありがとうございます!
5時30分ごろ出発。ここからの子兎岳、兎岳、聖はこれまた好きなコース。登っておりて、登っておりて、何が好きなのかよくわからないけど、登山っぽいから?試走時に気持ちよく楽しめたというイメージが強く残っている。今回も天気の良い登山を楽しんで進んだ。
7:04 子兎岳、7:36 兎岳、9:07 聖岳到着。聖岳につく直前に久しぶりにNHKの取材をうけた。最後の3000m級の山ですよといわれ、あれもうそんなに来ちゃったのっていうの感じだった。夢中で進んでいたので、自分が今どこにいるとか、あまり気にしてなかった。眠気さえなければ、登りの足はまだまだある感じ。天気もいいのでぐいぐい進む。

10:30 聖平着
直前までカレーを食べるつもりが、なぜか中華丼を選択。中華丼=ヘルシーで野菜たっぷりのイメージがあってつい。が、これは失敗。カレーのほうがおいしそうだった。選手スペシャルメニューとしてはフルーツポンチ付き。これは美味しかったー。NHKの取材スタッフの方たちと、取材抜きでただの雑談をしながら食事。雑談が弾み、出発が遅れ、11時45分発。
ここから一気に加速。嫁からの明日何時頃到着になりそうかな?というメールをきっかけに、何をどう思った?計算した?のかよくわからないけど、こんなにのんびりしていていいのか?間に合うの?大丈夫?感に襲われ、根拠なき焦りから一気に進む。聖平から約2時間で茶臼小屋へ。CT50%。なかなか頑張った。
思い返せば、ウソッコ沢付近は暗くなって通過するのは危なそうなだなと思い、そこから逆算して、やべ急がなきゃと。これがきっかけで一気に飛ばしたが、今思えば何か早く進むきっかけがなんかほしかっただけだった気もする。おかげで茶臼小屋についたときには結構足を使いきった感。ここではチェックポイントの通過のみで何も購入しなかった。今思えばこれも大失敗。選手の皆様用においしい肉盛りだくさんの茶臼丼があって、持ち帰りのおにぎりもあったのに。聖平でご飯を食べてしまい満腹だったのと、前回の試走時に横窪沢小屋のご主人といろいろお話して、前回2016年は携帯食セットというものがあったということで、期待してそちらに進んでしまった。
15:00 横窪沢小屋到着
ご主人達にご挨拶。試走時に絶対戻ってきますねっていっていたのを覚えてくださっていて、心配したよ、遅いよ!という突っ込みを受ける。いや、いや、めちゃくちゃ遅くなりますっていいましたよと。特別に桃などのフルーツを売ってもらって食べる。大満足!楽しく会話して15:32出発。携帯食セットみたいなものは今年は販売はなく、これからのロード中盤までの食事はここで買ったパンを4つとカップ麺とみかんのみとなり少しだけひもじい思いをすることになる。また飛ばし過ぎたせいで、下りの余力はなくなっていたし、膝を痛めることが怖いので、ここから先はほとんど歩きでの下りとなった。
17:20 畑薙大橋到着
途中古澤さんと合流して畑薙大橋を目指す。古澤さんもだいぶ足にむくれがでて、かつ痛めているらしく、歩き程度のスピード。下半身全体が相当に浮腫んでいるらしく、とにかくTamaがすごいとアピール。見る?見る?見る?NHKさんは見たよ!と勧めてくるけど、ここは自重させていただきますと。Tama見るためにここにきたんじゃねえ!といった、久しぶりにくだらない会話をしながら進む。
眠いのは続いており、幻覚が引き続き見えていて、畑薙大橋を木陰から何十回と見てしまっていた。そのくらい早くついて欲しい気持ちだったということだろう。
最後、道の途中まで古澤さんの息子さんが迎えに来てくれていた!ということは畑薙大橋も近いって普通は思ってしまうわけだが、息子さんが非常にお父さん思いの頑張り屋さんだったようで、お迎えポイントから30分くらい(以上?)かかってようやく畑薙大橋。到着すると思わせておいて、なかなかつかない地獄。息子さんにえらい遠くまで来たね!と、大変に強くねぎらいの言葉をかけておきました。

畑薙ダムゲート前で装備を整え、パンとミカンを食べて休憩。古澤さんとここでまた別れる。さらに白樺荘につく前の駐車場付近の水場で水を補給し、カップ麺を食べて腹ごしらえ&作戦会議。作戦としては、オートキャンプ場までは寝ないで進み、そこからどこかで寝て大浜海岸を目指そうという作戦。ここから及川さんと前後しながら進む。とにかく眠いし、幻覚だらけ。山肌が人の顔に見えたり、木の葉っぱとかが悪魔、化け物、怪獣のような形に見える。幻覚はすべて人間の脳が都合の良いように見せているとのことで、人間の脳の創造力には本当関心だなーと思いながら、半分寝ながら進む。とにかく眠い。
途中古澤さんを追い越す。道の端に行き倒れていて、もう足が動かずダメかもという弱気発言。Tamaを見ろとは一言もいわかなったので、本当に弱っていたんだと思う。関門までまだ時間があるから、休憩してみて、寝てみて、足の回復を待ってみるべきだという提案をして先に進む。
井川オートキャンプ場の到着時間は手元には記録なし。古澤さんの家族が待っていたので、古澤さんの状態を伝えるべきか否かをまず悩み、ここで寝るかどうかも悩む。悩みの多い時間帯。ここは関門でもあり、これからも頻繁に選手が通過して目が覚めそうなので先に進むことにした。
今後のために
・茶臼小屋からの長い下りは、わかっていても足にこたえる。ロードを前に、ここで足を痛めないように注意。
・ロードに向けての補給や食事の準備は聖平あたりから調整開始すべし。茶臼小屋の茶臼丼がボリューミーかつ持ち帰りも可能だったようなので、ここを中心に考えたほうがよさそう。
・白樺荘かオートキャンプ場でお風呂入れるような計画にしたかった。リフレッシュしたほうがいいのは駒ヶ根で実証済み。ただここまでくると絶対風呂に入りたいという気持ちはなくなってはいた。
コメント