西から東か、東から西か、東京駅へ向かう電車の中悶々と悩見続けていた。
信越トレイルの進み方だ。
公式に発表されている正式な進み方はおそらくない。にも関わらず、なぜだか自分の中では西から(苗場から斑尾)が正式ルート、のような思い込みが出来上がっていた。他のロングトレイルだっておそらく正しい進み方なんてないはずなんだろうけど、JMTはやっぱりヨセミテからスタートしたい、信越トレイルもやっぱり斑尾からスタートしたいという思いが出来上がっていた。
それでも東から西(苗場から斑尾)へと心決めたのは、勢い余ってあまとみトレイルへいってしまうかも(実際は全然そんなことなかった)、もし苗場山をゴールにすると最後の下りが長くて辛そう、かつ越後湯沢へのバスが本数が少なそう。という理由だ。東京駅につく直前、意を決して越後湯沢行きのチケットをオンラインで予約購入し電車へ乗り込んだ。
越後湯沢からバスに乗車して約20分。八木沢口のバス停で下車し歩き出す。夏から秋に変わろうとしている季節の匂いを感じながら、いよいよスタート!といつもよりすこしだけ前向きな気持ちで歩き始める。最短ルートのため下車すべきバス停は次の三俣中央で、特に歩く必要のなかった道を。
まずは祓川登山道を進み和田小屋へ。約10km(もう少しあった?)。車でもすぐという距離ではない。歩くともっとすぐという距離はない。舗装された道、林道、ゲレンデの中をつないで進んでいく。時々登山道へ向かっていると思われる登山者らしき人たちの車も通る。乗せてもらおうかなー、なんてこと考えはばっちりくっきり頭によぎる。が、これは信越トレイルスルーハイク+@の旅。しっかり歩くぞと意思を固めながら、しっかりと前を向いて進む。心は何度も揺れながら。
11時7分和田小屋到着。ようやくの苗場山への登山開始。あ、でもまだ信越トレイルは始まってもないね。なんて言葉は聞こえないことにして、和田小屋前の水場で水を補給して、再び前を見て進む。心は和田小屋前の自動販売機でコーラを買わなかったことを何度も後悔しながらも。

下ノ芝あたりからようやく抜けた感じになり、周りの景色を楽しめはじめた。そうなると気持ちも高まり、歩みも早まる。からの、あっという間の苗場山頂。なんといっても苗場山、ようやくの初苗場山。ずっとみたかった山頂に広がる湿原の風景を楽しみながら遅めの昼ごはん。

13時過ぎ出発。再び進み始める。
まあでも、そう、ここがようやくのスタート。110kmの旅の始まり。
ここから小赤沢方面へ降りて行く。途中で同じく信越トレイルをスルーハイク中の若者に声をかけ、話しながらすすむ。今年春に行ったというみちのく潮風1000キロやら、最近のハイキング事情やらいろいろと情報交換。平日金曜、まだ始まったばかりでスルーハイク中の人に会うなんて、もしやハイキングって流行ってる?なんて思いながら。(実際その後スルーハイクしようとしている人にはゴールの斑尾山直下まで合わなかったで、相変わらずそこまで流行ってはない様子)
3合目、彼は今日はここまでとのこと。お互いの軽く挨拶してお別れ。さてさて、こちらはこれからが本番。まだ信越トレイルとしては始まって3時間経っていない。そして、今日行けたら行きたいと思う森宮野原駅までは25-30キロもまだある。
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